29(承前)

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 ジョージが身を乗りだしてきた。 「そうか、なら逆に湿地帯の底なんか、どうだろう。敵はまずぼくたちが潜(ひそ)んでいるとは思わないだろう」  タツオとジョージの作戦会議は、日づけが変わるまで続いた。作戦は上々だったが、タツオの不安は頭の片隅を去らなかった。問題はこの訓練で勝利を収めるかではない。親友で「須佐乃男」作戦の右腕となる菱川浄児を失うか、否かなのだ。
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