29(承前)

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 タツオはクニの不平をかわして続けた。 「チーム呂はマルミ、ジョージ、ジャクヤだ。指揮機は両チームから等距離の場所で、単独で作戦行動をおこなう」 「了解」「了解」「了解」  吐く息は白くはならないが、もう肌寒いくらいの空気だった。朝日が不二山にあたって、まだ雪のない荒れた山肌も美しい。自分たちはこれから実弾を使用した実践訓練に入るのだ。タツオは気を引き締めていった。 「今回の作戦は最初の30分に勝機がかかっている。3機の戦闘ヘリコプターと6機の小型ドローンを落として、敵の航空戦力を叩く。対ドローン狙撃手はサイコとマルミだ」  チームの面々を見渡した。士気は高く、元気に満ちている。
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