リトライ

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ーー翌日 また、だ…… いつものように軽く覗くと、そこには、昨日と同じ場所に白いものが置いてあった。 さすがに、今度は二度見しなくてもわかる。 手紙だ。 誰だろう? 間違えてますよと、伝えてあげたい。 声に出せない思いが、胸の中を駆け巡る。 しかし、伝える術のない私は、また、その手紙を家に持ち帰った。 二通目の手紙も、初めと同様にしっかりと封がしてあった。 また、綺麗に端っこを開封する。 そこには、昨日と同じ筆跡で、丁寧な字が書かれていた。 『こんにちは。 昨日は、突然、驚かせてごめんね。 僕の事を誰にも言わないでいてくれてありがとう。 できれば、この先も、秘密にしてもらえるとうれしい』 うーーーん、誰なんだ? 内容から、知り合いであろうことが窺える。 ただし、手紙が、間違いなく私に宛てたものならば……の、話だけど。
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