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その日、私は、準備してきた手紙を、ダメもとで自分の机の中に入れた。
何もない机の中に手紙だけを残して帰るには勇気が要った。
封はしていない。
もし、『僕』や、他の誰かが気づいて開いて見てもいいように。
『僕』なら、気づいて持っていくだろう。
だけど、万が一、他の誰かに見つかって囃し立てられるような幼稚な事態になってもいいように、私自身も言い逃れが出来る内容にしている。
まるで、用意周到な完全犯罪のようだ。
クラスメートがある程度帰り、人数が減るまで自習をして、祈るような気持ちで帰宅した。
その翌朝、手紙は無くなっていた。
そして、いつもなら入っているはずの手紙も入っていなかった。
よかった。
『僕』は、わかってくれたんだ。
大丈夫、内容は誰にも話さないから。
どこの誰かもわからない相手に忠誠を誓う。
なんて私は良い人なんだろう!
自画自賛したのも束の間、翌日の土曜日、模試の日の朝、また、手紙が入っていた。
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