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それからも、手紙は、ほぼ毎日、最低でも週二回くらいのペースで不定期に続いていた。
私は、あれ以来、返事を出していない。
でも、それは日報のように継続されていた。
内容は、そんな事、直接話しかけてくれればいいのに、というものの中に、時折『彼女に見せたいな』とか、『彼女と一緒に見たいな』というものが紛れ込んだものだった。
どうでもいい世間話には、ふふっと笑いながら読んでいた。
でも、彼女への想いは、どこまでもまっすぐだった。
本当に、好きなんだろうな……
読んでいるこちらが赤面するほどに、相手への純粋な想いが伝わってくる。
真摯な文章は、相手を聞き出して見せてあげたいくらいだった。
私の事は『キミ』と呼び、想い人の事を『彼女』と呼ぶ。
『彼女』に逢えないのだろうか?
この想いを、直接伝えられないのかな?
伝えたら、絶対に喜ぶよ。
読者としては、少しだけ心配になった。
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