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そして、私の方は『明日は満月だよ』なんて情報が入れば、帰りの普段ならそのまま走り抜ける道で、一度、東の空を振り返ってみた。
言われた通り、ゆっくりと大きな月がのぼり始める姿を見て、そのあまりの大きさに「おおっ」と感動する。
そして、『新月だからきっと星が綺麗だ』なんて書かれると、夜、寝る前に電気を消した自分の部屋から空を見上げた。
夏の星座が煌めいている。
流れ星見えないかな?
なんて、肩の力を抜いて星空を眺めた。
手紙には、私も楽しめるお得情報も混ぜられていて、その度に誰かわからない『僕』を思い出した。
きっと、少しずつ浸透し、私の心の中で市民権を得たのだろう。
正体不明の『僕』に、振り回されていた日々にも、やっと慣れて落ち着いて来た。
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