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それに、今回に限って、みんなそれぞれに満足の席に落ち着いているようだ。
いつも遠目に眺めていた桐谷君が、目の前にいる。
さすがに、眩しくて前が見えない。
プリントが回って来た日には、取るのに気を遣ってしまう。
今更だけど、変更してもらおうか?
でも、いままで場所がどこでもいいメンツに入っているので、今回に限って移動を申し出るのは不自然だし。
きっと、誰も何とも思わないだろうけど、自分の心だけがざわざわする。
素知らぬ顔して過ごせるだろうか?
挨拶ぐらい交わせるようになるだろうか?
「いいかぁ、今月はこれで行くぞー」
私の心配をよそに、ひとり満足げなザビエルが、声を張り上げている。
この席替えが、過去を思い出させ、私から平常心を奪った。
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