リトライ

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………… ……………… ーー二年前 桐谷君とは、一年生の時、同じクラスで、前後ろの席だった。 当時は、とても仲の良い、いい関係だったと思う。 「おはよう、藤倉さん」 前席に横座りしている桐谷君が、私の到着を知ると、顔を向けて挨拶してくれていた。 「おはよう桐谷君」 そう言い返すうちに仲良くなり、そのうち、彼が、頭脳明晰である事も、運動神経が良い事も知った。 「ねえ、桐谷君、宿題プリントの問三なんだけど」 「ああ、あれ結構苦労した」 「解けたんだ、教えて」 「いいよ」 桐谷君は、当時はそこまで背は高くはなかったが、ルックスは私の好みで、人当たりのいい好青年。 とても頭がよく、教えるのも上手で、解らない問題があると、誰にでも気持ちよく教え、私も教えてもらう内のひとりになっていた。
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