リトライ

25/135
前へ
/158ページ
次へ
桐谷君の同じ中学だろうか? よくは知らなかったけど、桐谷君の席に遊びに来る同じクラスの山本君とも必然的に仲良くなった。 数学を得意とする私と、同じく得意とした桐谷君とは、話も合って、楽しかった。 テストの点も競ったり、数学と物理では、張り合うことが出来ていた。 その頃には、もう、自然に好意を持っていた。 多くの女子生徒の中でも、人気で。 まあ、それも、当然で。 私も、密かに恋をしていた。 だけど、この恋心は大切にしたくて、この日常を守りたくて、関係性を保ちたくて。 気持ちを、ずっと心の中に仕舞いこんでいた。 そんな時だった。 山本君から帰宅後にLINEで連絡が来るようになったのは。 「数学の問題の解き方教えて」なんて言ってくるようになって。 「桐谷君に聞けば早いよ」なんて返していたんだけど、写真撮ったりして答えを送信していた。 そんなやり取りが続いていたある日、「電話していい?」とメッセージが来た。
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

998人が本棚に入れています
本棚に追加