リトライ

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最後の二行に書かれた内容を読み返す。 「そうなの、日直なの!それも、あの桐谷君と!」 手紙を畳みながら、そうひとり呟いていた。 「やっぱり、今日はよろしくね。いや、よろしくお願いしますかな。うわぁーーー」 誰にも言えない想いを、手紙を相手に吐き出す。 部屋で妄想を膨らませ、小さく呟く自分に、恥ずかしさが大波となって押し寄せる。 夜もなかなか寝付けなくて、結局どこかで寝落ちしてしまっていた。 朝、当然起きれず、私にしては珍しく遅刻気味の中、それでも必死に寝癖を直し、どうせ自転車漕げば崩れるのは分かっているけど、いつもより念入りにブローする。 スピードを出して漕いだ分、髪が思いっきり後ろにぶっ飛んでいたが、トイレの鏡で整えて呼吸を落ち着けて教室に入った。 しかしながら、私の夢見がちな理想を遥か右斜め上で越えてきた現実は、一瞬で奈落の底へと突き落とした。
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