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一日使って書き写した労働に、達成感と疲労が襲ってくる。
机から顔を出した日誌に、さらに大きなため息をついた。
えーっと、なんだったっけ。
一限目からの授業と内容を記入する。適当に、かつ迅速に。
なんとか記憶を引っ張り出し、書き終えた。
「さてと、ザビエルの所に行きますか」
二階の職員室に、荷物の入ったリュックを持って行こうか?
相当迷ったが、用事を頼まれて、もう一度教室に戻る羽目になったら、ただの邪魔な荷物になる。
私は、日誌だけを持ち職員室へと向かった。
また、ザビエルに何か頼まれるんじゃないかと恐れていたが、職員室を覗くと席をはずしていたので、素早くデスクに日誌を置くと、その場を脱兎のごとく立ち去った。
「あーーー、がんばったわぁ、私」
今日一日の労を、自分でねぎらう。
書くという労働は、右手に軽い腱鞘炎的な痛みをもたらしていた。
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