リトライ

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梅雨真っ盛りの朝の登校中、雨は降ってはいなかったが、湿って重くなったスカートを揺らし教室に向かう。 いつも通りに到着した私は、これまた、いつも通りに鮮やかでお気に入りの赤いリュックから教科書を取り出した。 そして、机に入れようと少しだけ覗いて中に何もない事を確認する。 これは、小学校の頃にイタズラされて、パンが入っていたことがあり、それ以来のトラウマというか、儀式のようになっている。 今日も、チラッと覗いて、ノート類を入れようとした時、小学校以来、久しぶりの障害物を発見した。 おっと…… 今のは、なんだ? ポーカーフェイスを決め込み、何もなかったかのように机でトントンとノートを揃える。 あれは、なんだ? 一瞬確認したその障害物の解析を、頭の中で試みた。 右端に置かれた白いもの……紙だった気がする。 とりあえず、もう一度見ながら、安全な左側にノート類を入れる。 今度は、きちんと確認できた。 白い封筒? ハガキサイズの封筒が置かれている。 スーッと周囲を見渡した。 誰とも目が合わない。 誰も私を見ているクラスメイトはいない。
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