リトライ

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『こんにちは、突然ですが、僕の話を聞いてもらえませんか?』 「えっ?これだけ?」 思わず心の声が出ちゃうほど、拍子抜けする一文に、一気に一日の疲れが出た。 「話しかけてくれれば、聞くのに」 返事の来ない手紙に向かって話しかける。 とりあえず、イタズラな恋文ではないらしい。 それに、私に話を聞いてほしい人なんているはずもない。 きっと、誰かの机と間違えて入れられたのだろう。 「残念な手紙……」 几帳面で丁寧な字。でも、少しだけ角ばっていて、字や内容から見て男子からのものには違いない。 まあ、ラブレターでは無かった。 私は、そのまま封筒に戻すと、机のなんでも入れちゃう二番目の引き出しに仕舞いこんだ。
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