僕とキミ

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僕とキミ

僕はほっぺたに何かが当たる感触で目を覚ました。 それは控えめに、何度も何度も僕のほっぺたをつつく。 ゆっくりと目を開けると、白い天井が見えた。そのまま下を見るといつもの大好きな飛行機の柄のお布団と、向こうに勉強机が見えた。ここは僕の部屋。 それからゆっくり横を向くと、さっき僕をつついていたものが見えた。 「ねこさん……?」 そこには僕をじっと見下ろす真っ白な猫がいた。黒いクリクリの目に、つやつやの白い毛の猫が枕元にちょこんと座っていた。僕を覗き込むように見て、それから小さく小さく鳴いた。 “ボクはタビト” 「え?」 頭の中で声がした。僕はぱっと猫を見た。こっちを見て、ぺこりと頭を少し下げた。その声がこの猫なんだと、なんとなくそう思った僕は、起き上がって、猫に向かって言った。 「僕はあおき はると、だよ」 “はると……かっこいい名前だね” 僕の手にスリスリして、こっちを見上げる。 「ありがとう!僕、自分の漢字も書けるよ。ママに教わったんだ」 “すごいね” 「はる、は春みたいにあったかい人になるように。と、はどんな人にもちょっとでいいから(ひしゃく)のように救ってあげなさいって意味でつけたんだって」     
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