第10話

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浅葱色の本を読み返した時に、後半の白紙のページが滲む様に字が浮き出てきていた。 まるで最後のページに辿りつくまでは、本を毎日開き続けなくてはならなくなった。 1週間たったある日、皇宮から遣いがやってきた。 アントニウスからの手紙に書いてあった通りに、奏を“根源”を断ち切るために……。 遣いで来た従者は、玄関周りの青薔薇の蔦に拒まれ館の中に入ることすらできず引き返した。 従者が代わる代わるやってきたが、青薔薇は拒むかの様に蔦を茂らせ棘を鋭くした。 一郎やマルゲリタ達は館を出入り出来るのだが、それ以外の者を拒み続ける。
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