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レミジオが奏を連れて行った翌日、皇宮から従者が数人やってきた。
喪失状態の一郎に代わって、マルゲリタが声を荒げて言った。
「お前さんたちが、お嬢さまを連れて行ったデねぇか!!」
――奏……私は、お前をも喪うのか!? ――
「我々は、何度もやって来たがこうして館に入れたのは教が初めてで……」
「レミジオが連れて行ったデねぇか!!」
「? レミジオ様が!?」
マルゲリタとやってきた従者は、押し問答を繰り返した揚句、館内を捜索をされるも奏は見つからず従者たちは一旦引き返した。
「旦那様? お嬢さまはいったいどこに?」
マルゲリタが一郎に問いかけるも、娘を奪われた哀しみから抜け出せずにいた。
シュッテンが密かに、レミジオの後を追ったが館にある薔薇園に入ったのを最後に見失っていた。
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