日常の一コマ

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家庭は、傍目から見れば円満。 夫とは、もう何年もセックスレスだ。 もともと淡白なわたしは、なんとも思っていないが、夫はどうだろう。 「身体が疼く」などという状態になったこともなく、別になりたいとも思わない。 セックスは、男性の快楽のためにだけあるものだろう。官能小説にある、女の狂態はフィクションではないかと考えている。 そう、わたしはイったことがないのだ。 正確いうと、クリトリスへの指および舌による刺激や、オナニーでは快感を得られる。 が、ペニスが挿入された状態で、絶頂を迎えたことがない。 それが、どうこうとは思わない。 そういうタイプなのだろうと、やり過ごしてきている。 きょうは、新しいお客との約束の日だ。 指2本で、契約が成立している。 そう、2万円がわたしのウリの値段だ。 男は、なぜ金を払ってまで女体をまさぐりたいのだろう。 そろそろ、シャワーを浴びて準備をしよう。
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