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蒼は泣きじゃくる遥を落ち着かせる為、再び公園内へと戻るとベンチのある場所へ誘導した。
そして、隣で遥が泣き止むのを静かに待った。
公園内は未だ明るさはあるものの、いつの間にか遊んでいる子どもたちはいなくなっていた。
既に東の空は暗くなり始めている。この時間から夜へと変化していくのはあっという間だ。
暫くすると、遥が俯いたまま小さく呟いた。
「ごめんね…。泣いたりなんかして…困らせて…」
「いや。少しは落ち着いた…?」
優しく声を掛けると、遥は俯きながらもこくり…と小さく頷いた。
まさか、自分のことで遥をこんなにも泣かせることになるなんて思ってもみなかった。
昔のこととはいえ、遥にとってしまった自分の態度に心底後悔していた。
遥は何も悪くないのだ。
自分がただ、弱かっただけなのだから。
「遥は、もう…俺のことなんか忘れてると思ってた」
あれから、どれだけの年月が経ったか。その間に遥だって沢山の出会いがあった筈だ。
そんな中での自分の存在など、過去のほんのひとかけらでしかない。そう思っていたのに。
「忘れる訳ないよ…。ユウくんと蒼くんは、私にとって…この街に来てからの初めての友達だったんだよ。辛かった時、二人が一緒にいてくれたから今の私がいるんだよ…」
沢山泣いたからだろうか。少し鼻声になってしまった遥が小さく呟いた。
「そうか…」
周囲を見渡せば、あの頃と変わらぬ景色がそこにはあって。
蒼は懐かしさに目を細めた。
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