訊くは一時は恥、訊かぬは一生の恥。でも好奇心は猫をも……?

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「お、お、お願いしましゅ!」  緊張してちょっと噛んだ。  次の日、早速私と彼は村の散策に出た。  私がいつも酒場以外の店は覗くだけで入った事が無いと言ったら、オススメの店を案内してくれると言ったのだ。  初めて酒場以外の店に入れる。  マスター以外の人間と一緒にいるのは初めてだが、彼が帰った後にマスターが彼の事を優しくて良い人だとベタ褒めしていたので、あんまり緊張していない。 「おはよう。今日もフードローブ姿なんだね。他に服とか無いの?」 「それは……」  無い事はないが、他の服は耳が目立ってしまう。  言い淀んでいると彼は何かを察して、溜息を吐いて何事もなかったかのように「まあいいか」と呟いた。  理解ある人で良かった。  これが人間の距離感の取り方というものなのだろうか?  人が気にしていそうな事は訊かない。覚えておこう。  あ、私達も同じか。そこら辺は。 「何処の店から行きたい?」 「雑貨屋さん! 綺麗なとんぼ玉がいっぱい置いてある店があった。値段によっては村の子供たちのお土産にしたい」 「ほう、それは良いね。その店、どっち?」  実は入らなくても店頭の品揃えだけは結構チェックしてあったのだ。     
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