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俺は何を独りで苦しんでいるのかと可笑しくなってきた。馬鹿馬鹿しい。凪沙の頬に手を当てる。少し首をかしげたけれど別に逃げることは無い。
俺は何を見てきたんだ。凪沙はいつだってここに居た。
「凪沙、俺のこと嫌いじゃないよな」
「うん、それはそうだけれど?」
凪沙は少し微笑んでいる。これでいいんだ。今、無理に決着をつける必要がある気がしていた。焦る必要があったのは自分自身の気持ちに不安だったからか。
確信した。絶対に凪沙の気持ちのベクトルは俺に向かっている。
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