01.逢魔が時

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「うむ……。確か、君との待ち合わせは約束よりも30分ほど早まったからな。2時前後から俺と別れる5時まで。俺が保証できる」 昼間はニシナさんにあちこち案内されて、都会とやらをそれなりに楽しんでいたのに。宿に戻ってくれば。自分の泊まるはずだった部屋で、女性が首を吊って警察ザタなんて、笑えない。 「5時以降は……ニシナさんに勧めて戴いた飯屋で夕飯を食べて……。店を出たのが6時過ぎ、でしょうか……。なので、その間は問題ありません。店の方が覚えていればの話しですけど……」 「残りの1時間は?」 「散歩がてら公園をふらふらと……。なので、何とも……」  公園の樹が綺麗に色づいていたものだから、つい。  僕とニシナさんのため息が重なった。 「とりあえず、ここにある君の持ち物は押収ということになる」 「ああ……。はい……」  自然と肩が落ちる。  なんて日だ。約束の人物は汽車を逃してやって来ないし。偶然、泊まった宿で人殺し扱いされるし。手持ちの荷物までなくなるし。 「すまないヒカル君……。確認なんだが、これで全部か?」 「ええ。今日は元々ここに泊まる予定、ありませんでしたし……」 「その時点で君を容疑者扱いにするのは気が引けるのだが、俺も仕事でな……」 「あの、彼女は本当に……殺されたのでしょうか?」     
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