prologue

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第2章:緑の子と青い王子 狂おしい花 マルリア王国の暴君王女、鈴。 その鈴が恋をしたのは、隣国の青い王子、海斗(カイト)だった。 2人は、国中の会議で知り合った。 だが、青い王子は… 「美玖!!」 「海斗さん…!」 海斗の国、ウミウリ王国の隣国のアリア王国の王女、緑の少女…美玖(ミク)に一目惚れだった。 『海斗様……… 美玖…あの女、私の海人様に…!!』 嫉妬に狂った鈴は、大臣を王宮に呼び、静かな声でこう命じた。 『アリア王国を滅ぼしなさい。』 キャー!! た、助けてっ…!! アリア王国に悲鳴や嗚咽が響き渡る。 幾多の家が焼き払われ、幾多の生命が消えていく。 「美玖っ…!」 「かい、と…さん……に、逃げて……は…や、く……」 「美玖…?美玖……美玖ぅぅぅぅ!!!!!」 海斗のそんな叫び声は、鈴の耳には届かない。 ゴーンゴーン マルリア王国の教会の鐘が国中に響き渡る。 『あら、おやつの時間だわ!』 鈴は笑顔で怜に言った。 それは、狂おしいほど可憐な笑顔で、とても美しい花。 なのに… その花は、棘が多すぎて触らないほどまでイカれていたのだ。
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