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しばらくして父親が車へ戻ってくる。そしてYおばちゃんをみて、驚きの表情を浮かべ、再び家へ戻っていった。
「お父さん、何してんのやろ??」
母親が不思議そうに呟く。僕も同じ気持ちだった。そして、再びみんなが待つ車へ戻ってきた。
「Yさん、ずっとそこおった?」
母の姉のYおばさんに父が聞く。
「ずっとここおったよ。どげした?」
「いや、おったなら大丈夫。みなさん、ほんまにお世話になってありがとうございました。」
明らかに父親はおかしな様子だったが、お礼を言って車に乗り込み、母の実家を後にした。毎年、このタイミングで島根のおばあちゃんも泣く。その姿を車から見て、また僕も泣き出す。
父親の様子がおかしい以外は、いつもの別れ際の光景だった。
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