31 繋がるもの

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 こうしている間にも、みのりはアパートで不安を抱えながら待ってくれている。今は一秒でも早く帰り着いて、みのりを安心させてあげたかった。そして、一秒でも早く、みのりの翳りのない微笑みが見たかった。  携帯電話の着信音が鳴って開いてみると、遼太郎からのメールが来ていた。 『今、立川に来ています。これから電車に乗って帰ります。』  その文面を読んで、みのりは軽くため息をついた。もう帰ってきてもいい頃なのに遼太郎が帰ってこないのは、そんなところに行っていたからだ。理由が分かって、こうやって無事を知らせてくれると、少しだけ安心する。  それから、携帯電話をローテーブルに置くとキッチンへと立った。  ずっと遼太郎に作ってもらっていたけれど、最後の夜くらいは遼太郎に恩返しを…と、みのりは慣れない小さなキッチンで料理を作っていた。  幸いにも、みのりの腕も順調に回復して、無理な動きをしない限りは痛みを感じなくなっていた。明日は、飛行機に乗る前に病院へ行って、抜糸をしてもらう予定にしている。  サーモンときのこのホイル焼きに、シーザーサラダ。ほうれん草のキッシュに、かぼちゃのスープ。多少作りすぎの感じはあったけれど、暇を持て余していたみのりは、散歩がてら買い物に行き、ゆっくり時間をかけてこの料理を作った。
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