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ある夜更け
ある男は終電間際まで残業をして帰宅を急いでいた
明日も早い
夜も遅く街灯以外は漆黒の闇が広がっている
すると向こうから腰を曲げた老人がベビーカーを押して、こちらに向かってくる
老人もベビーカーの赤子も暗く顔が見えない
男はこんな夜遅くに散歩なんかするかねと思いながら気にもせず進む
街灯の下ですれ違い、ふと顔を見た
男はその行為を後悔した
老人の顔が嬰児でベビーカーの赤子の顔が皺の深い老婆だった
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