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「誰が作ってるの?」
「誰だろうね」
「知らないの?」
「うん。いいだろ、別に」
「ここって……何なの?」
「勉強嫌いに大学芋を売るお店。芋を食えんのはその日“先生”に褒められた生徒だけだけどね」
「塾みたいな場所ってこと……?」
「まあ、そんな感じじゃないかな」
私は幾つも山崎くんに質問した。この店はいつやっているのか。有料なのか。客はどうやって集めているのか。店主はどこにいるのか。
それぞれ、不定期だよ、三時間百円、君も知っているはずだ、店主の居所は知らない、と返ってきた。
「私も知ってるってどういう事?」
「だって君、どうやってここに来たんだよ」
「先輩に連れて来られて……」
「そうそれ。要は紹介って事だね。基本一見さんお断りらしいよ」
最後に「先生」とは何か訊いた。すると山崎くんは鬼教官を指差した。
「国語はこいつ。常連客の中で一番、直近のテストの点が高い奴がなるんだ。ぶっちゃけ“先生”になっちゃうとテキストとか作んなきゃいけないからめんどいよ。だから俺はいつも二位を目指してる」
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