8人が本棚に入れています
本棚に追加
「高崎君」
誰かに身体を揺さぶられている。
「起きないと先生来ちゃうよ?」
この声は最近耳にした事があるものだ。
「うーん」と呻りながら瞼を持ち上げると、ぼんやりとした視界に佐藤君の姿が映し出された。
「な、なな、何で……っ!」
驚きのあまり立ち上がり後ずさりをしようとしてふくらはぎに椅子が当たる。よく見るとここは教室だった。クラスメイト達がこちらに注目しているのに気付き、恥ずかしくなって着席し俯く。
「また夜中までゲームしてて寝不足なの?」
ポンと頭に手が置かれた。恥ずかしいのと、触られて緊張するのとで、カァッと赤面している自分に気付き顔が上げられない。
「でも、新しいゲームももう始まってるよ。何か分からない事があったら親友の僕に何でも聞いてね」
小声で告げ、彼は自分の席に戻っていった。
ホームルームを告げるチャイムが鳴る。
最初のコメントを投稿しよう!