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今日も男共が私を巡って醜い争いを続けている。
「好きだ!お前を俺のものにしたい!」
「お前は俺のものだといつも言ってるだろ?」
「僕じゃ頼りないかもしれませんが貴女の傍にいさせてください」
「先輩のこと必ず幸せにしますから!」
全く……。モテる女は辛い。こんなイケメン達の間から一人を選ぶなんて出来そうもない。やっぱり目指すのはハーレムエンドよね。
ベッドに寝転がりながらゲーム機の画面を見つめた。そこには私の彼氏候補(多種多様なイケメン)達が映し出されている。うっとりと目を閉じ、そのまま夢の世界へ。
人間誰しも一度は思ったことがあるだろう。現実は退屈だと。別の世界に行ってみたいなと。勿論私もそう。現実の世界は退屈だ。二次元の世界へ行ってみたい。大好きな乙女ゲームの主人公みたいにイケメン達と素敵な恋がしてみたい!常日頃からそんな事を考えているくせに、現実の世界では男の子と碌に会話も出来ない私だけど妄想するのは自由だと思う。て、いうか妄想しないとやってられない。現実で乙女ゲームのようなハーレムエンドは望めないかもしれない。でも妄想するのは自由だ。
友達からは『顔は可愛いのに残念なオタク』だと言われている。妄想も程々にしておきなよと言われるけどやめるつもりはない。だって妄想するのは楽しいのだ。それが私の生き甲斐だ!
所で、私は乙女ゲームをこよなく愛しているが男同士の恋愛を描いた作品、所謂ボーイズラブも大好きである。美少年同士の絡みを想像して顔がにやけてしまうこともよくある。
つまり、乙女ゲームが大好きで、同時にボーイズラブを愛していて、現実の世界では男の子が苦手で、妄想することが生き甲斐の残念なオタク女子高生、高崎(たかさき)真(ま)宙(ひろ)とは私のことである。……自分で紹介しておいてこれはどうなんだろうと思う。でも本当のことだから仕方ない。
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