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校舎の裏側にあるひっそりとした裏庭。校長先生が手入れしている色とりどりの花々が綺麗だ。昼休みになるとここには弁当を食べにくる女子もいるけれど、今の時間帯は人の気配がしない。みんな部活に行っているのだろう。
この裏庭にはある噂がある。二次元の世界なら『ここで告白して結ばれた二人は永遠に幸せになれる』みたいな伝説があるはずなのだが、現実は『ここで告白して振られた人物は不幸になる』というとんでもないものだった。昔ここで告白して振られた女子生徒が事故に合って亡くなったと聞いたことがある。嘘か本当かはしらないけれど。
そんな場所に佐藤君が何の用だろう?
「高崎さん、今好きな人いる?」
「え?」
まさかこれは佐藤君に告白される流れではないだろうか?いやいや、そんなはずがない。佐藤君が私なんかに……あり得ない。そんな二次元みたいなことあるはずがない。
もしそうだったとしたら私はどうするべきだろうか?佐藤君みたいな素敵な人が恋人になってくれたら幸せだけど、そんなの絶対無理!話すだけで緊張するのに恋人同士になれるはずがない。それに佐藤君には茂野君がいるじゃない!二人の仲を邪魔する奴は私が許さない。
「い、いません……けど」
「じゃあ、僕に付き合ってくれないかな?」
「…………」
有り得ない。有り得ない。有り得ない。
こんなことあってはいけない。佐藤君みたいな乙女ゲームに出てくるようなイケメンが私なんかに告白なんて絶対に有り得ない。
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