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時間というものは、その辺に転がる悪意よりも冷酷である。
ゴツくて悪い顔をした『いかにも』な悪魔が概念化されたものだと俺は断言する。あいつは絶対にやばい
欲しかったほんの数秒、息を整えるためのちょっとした小休止。
俺にとって喉から手が出るほど必要だったその『時間』は、俺のことなんて見向きもせず、ただ一定の速さで進んでいく。
それが平等の真理だと言われてしまえばそれまでなんだけど、誰が見ても分かる時間という平等さは、誰が見ても判る程に俺と他者とで能力や現状に差を付けた。
いつの日からだろうか
時間に追われているようで、実際は取り残されていたのは
ゴールが分からなくなってしまったのは。
そしてこの『時間』という最悪な悪魔をキッチリ定義することによって生まれる結論がある。
それは今、俺に付き纏う現実は一概に俺のせいじゃないということだ。
対処を待ってくれなかった、休憩地点を与えてくれなかった、『時間』のせいである。
そう信じてこの現実を受け入れている。
高校に、友達が1人もいない、ぼっちであるという現実を。
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