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誰もいない空き教室
先程まで騒がしい教室にいたせいもあって、閑散とした空気が妙に不自然で居心地が悪い。
わざわざ場所を変えてまで初対面の俺に話したい事なんて、一体何だろうか。
まさか拳で語り合おうとでも考えているのか、スクールカーストの低い俺から金を巻き上げようとしているのか。
DQNもビビるその髪色でならどんな事でもやりかねない。きゃりー●みゅぱみゅもビックリだよ。
色んな悪い未来が頭に浮かんで疑心暗鬼になっていた時、ここに連れ込んだ張本人は廊下や周りに人がいない事を確認すると
「……ごめん」
俺に向かっていきなり頭を下げた。
「い……や待て、何がだ。……とりあえず顔を上げてくれないか。」
深刻そうな面持ちで謝罪をしている。彼は決して俺をからかっているのではない事が伝わる。
わけが分からない。どうしてこいつは俺に謝罪をしているんだ。
「僕の名前は星空ぴすけ。君が憎んで憎んだ『時間』という概念が人の形となった姿だよ。」
脳内の考える機能が停止した音が聞こえた。
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