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「たぶん、マーさんが女に見えてることに関係あると思う」
「私って、女に見えてるのね」
「知らなかったの?」
光琉は驚いて、マーさんの顔をまじまじ見る。
「当たり前でしょ? その姿はあなたのイメージでしかないんだから。私達に実体はないのよ」
マーさんは優しく微笑んで、光琉の頭を撫でた。
「それにしても、あなたのそれは根が深いのね。違う?」
「ええ、まあ……」
「あなたの中で、ぽっかり抜け落ちている場所があるのね」
「マーさんって難しいことによく気づきますよね。それをすごくわかりやすく話してくれる」
「あなたが特別にアンテナがいいからよ。私達と波長が合えば合うほど、私達が話している言葉が正確にあなた達の言葉に変換されるの」
「なるほど……」
光琉は感心してしまう。
一見、人とはかけ離れた容姿なのに、よく人間の言葉を操れるな、と思っていたが、実は逆で、彼女の言葉を光琉が正確に感じ取っているのだった。
「夢一に相談してみれば? 私よりも適任者を探してくれるかもね。私はここであなたの話を聞いてあげるだけだもの」
「うーん……」
「あの人、結構信用に足る人だと思うけどね」
「……そう、かな」
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