3 重い初恋

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「今、辻上さんが、智樹くんに説明をしに行ってくれています。 ただ、彼の言葉を、智樹くんがすんなり受け入れるかは分かりません。 ですので取り敢えず今日は、智樹くんとの仕事は、なるべく避けるようにしましょう。 それで折を見て米倉さんは、智樹くんだけではなく、誠二くんも松本さんも 好きだという事を、はっきりとした言葉で智樹くんに伝えてください」 しかし、この矢代の言葉が、かなりの重みを持つのに時間はかからなかった。 程なく、部屋に戻ってきた絹矢の顔は、先程からは一変。 明らかな不満を浮かべた、仏頂面になっていた。 しかも、その後ろから入ってきた辻上も、益々難しい顔になっている。 そんな様子に、未波は焦った。 そして、すぐにも矢代のアドバイスを実行しようと 絹矢に歩み寄りかけた彼女の肩を、そっと矢代の手が掴む。 振り返った未波の視界の中で、矢代は、やんわりとかぶりを振ってきた。 それから、いつもの暢気な口調で始業を告げる。 「今日は、誠二くんと米倉さんが宅配班。 智樹くんは、私と郵便班でお願いします」
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