3 重い初恋

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しかし、早番の昼休みを迎えると、再び絹矢の駄々が復活した。 「俺、今日は、昼ご飯食べない」 この日の遅番は、辻上と未波。 それが不満なようで、メール室に残ると言いだす。 「あらぁ、ご飯は、ちゃんと食べないとだめよ。 午後に、くたばっちゃうんだから」 宥めるように言う松本だが、絹矢は「平気!」と いつものように素直には頷かない。 それどころか、「俺、未波ちゃんと一緒にいる」と床に座り込んでしまう。 しかし未波は、どうして良いやら分からず、困惑の視線を矢代に向けた。 それに応えるように、矢代は小さく頷く。 「智樹くん。米倉さんには、まだお仕事があるんですよ」 そして未波は、視線を向けてきた矢代に慌てて続いた。 「智樹くん、ちゃんとお昼は食べてきて。 私も、残りの仕事をしっかりするから」 未波の言葉に、絹矢は、にわかに押し黙った。 そして、じっと彼女を見つめて低く言う。 「二人で、内緒話しない?」 未波は、きっぱりと頷いた。
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