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この部屋の構造は、単純。
入り口から向かって右側に、本社内の部署ごとの棚。
反対は、各支店と外部への振り分け棚が、それぞれ壁の半分以上を埋めている。
その各棚の前に設けられた作業スペースを挟んで、
受付テーブルが左右に置かれている。
そして朝は、始業のチャイムと同時に
受付テーブルの間の中央スペースで、短い朝礼。
その後に、矢代に声を掛けられ、説明が始まった。
「ええっと、午前中の仕事はですね、
まずは、さっきしたように郵便班と宅配班に分かれます」
そして、「今日は、私と一緒に郵便班をやりましょう」と言ってくる。
なんかその言葉に、あの無愛想エースから隠れられる
大きな隠れ蓑を得たようで、未波は、ホッと胸を撫で下ろした。
「毎日、本社便は10時前に。郵便は、10時半頃に配達がされます」
そして、未波たちの向かいの作業スペースでは、
今日は、宅配班になった勝俣と絹矢によって
昨日の閉め時間以降に持ち込まれた社内便の荷物や書類が、仕分けされている。
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