3 重い初恋

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「違う」 えっ?  ニコリともしない真っ直ぐな辻上の視線を受け、 思わず未波は、ドキリと言葉を詰まらせた。 しかし、強い眼差しを向ける辻上は、 淡々とした口調ながら、真剣な面持ちで更に言う。 「アイツは、心は少年でも、体は、男としてもデカいほうだ。 それにアイツは、男としてアンタに惚れてる。 だから、たとえ他意のない不用意にでも、これ以上アイツを煽る事があれば アンタに身の危険が及びかねないってことだ」 言葉が出なかった。 そして、真っ直ぐに見つめられたまま沈黙を挟み、 未波は身動きも取れなくなる。 だが、そんな彼女を解放するように、辻上はふわりと背中を向けた。 「それと、その真意ってヤツは、今日は言わないほうがいい」 えっ?  彼の視線が外れたことで我に返ったように、未波は聞き返す。 それに一瞬だけ押し黙った辻上が、低い声で呟いた。 今日一日くらい、良い夢見させてやってもいいだろ。
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