36人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、各支店から送られてくる本社便の開梱は、少し手間がかかりますから
郵便が届くまでは全員でやります。
そして郵便が届いたら、郵便班で部署ごとに仕分けします」
その後、11時頃から各部署の郵便担当が荷物を引き取りにくるので、
それの応対をするという。
「まぁ、毎日同じ量が来るわけではないですが、
だいたい午前中は、この作業で終わってしまうのが常です」
そう説明が続く中、早くも本社便が到着した。
「おはようございますぅ」
台車いっぱいに荷物を積んで現れたのは、
無愛想エースと同じ作業着を着た宅配業者。
「今日は、ちょっと量が多くて。もう一回分あります」
そう言う彼の目の前で、勝俣と絹矢が台車の荷物を下ろしていく。
「なら、そっちは俺が取ってくる」
相変わらず愛想のない声音で言った辻上は、同僚から軽く説明を受けると、
間もなく、台車を押して部屋を出ていく。
それを、ちょっとぼんやり見ていた未波の肩を、矢代がポンと叩いた。
最初のコメントを投稿しよう!