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少女が目覚めると、そこは屋外階段の踊り場だった。
「・・・幽霊?」
白装束を纏った少女に、青年はそう言った。
「駒姫と申します」
それが出逢いだった。
彼女は駒姫と名乗る。
そんな馬鹿なと思うが、彼女の服は白装束。
それに駒姫と言えば、戦乱の世に生きた悲運の姫君。
とにかく、1度家に連れて帰ることにした。
こんな格好で外をうろうろさせられない。
姉か母の服にでも着替えさせないと。
彼女の最期は、斬首。
遺体は穴に放り込まれて「畜生塚」と碑を建てられる。
そんな駒姫の最期は、東北大名の姫君らしく堂々としたものだったと、何かで見た。
そんな彼女は、僕の腕にしがみついて、道路を走るトラックに怯えていた。
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