3人が本棚に入れています
本棚に追加
00
***
来月、祖母の千恵子が施設に入る事になった。
大正・昭和・平成と生きた祖母は、認知症を患い介助が必要となっていた。しかし体の方は至極丈夫であった。祖母は、九十年間自分はB型だと思って生きていたのだが、施設に入るため受けた血液型検査で、AB型であることが判明した。
私達親族は、その事実に驚愕して同時に感心をした。つまり祖母は、この年まで輸血を必要とする大病をしてこなかったのだ。
今日叔父と母は、祖母の自宅の整理のため駆り出された。
孫の自分も何となくその場に立ち会う事になったのだが、何をしてよいのか、荷物の山に途方に暮れ立ち尽くしているところだ。
祖母は、何でも捨てずに取っておく人だったので、自宅の一室が荷物の倉庫になっている。その量たるや半端がない。戦時中を生きた人達は、こんなものだろう。認知症を患ってからは、荷物を片づけるのを不安がるようになったので、今日までそのままになってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!