20人が本棚に入れています
本棚に追加
樫くんの上司である篠村夏月センパイは、年齢的なポジションでは姫の下にいるけれど、お局様、という響きとは無縁の存在だ。
とりあえず、背が小っちゃくて童顔で、年齢を聞くまでは女子高生……は言い過ぎだけど、どこぞのインターン学生かと本気で思っていたくらいで。
何というか、小動物系?
163センチにヒールを履いている私が並ぶと、彼女の頭は肩より下くらい。
男性はこのコンパクト感を女子に求めるんだろうな、なんて彼女と並んで立つ樫くんを見てこっそりと思ったりしたっけ。
「何とか言ったらどうなのよ!」
おっと、姫のヒステリーがギアチェンジしたぞ。
うーん、篠村センパイ、多分あれ、何か他のこと考えてるんじゃないかな。
いつもだったら、眉間にシワ寄せたり笑いを堪えたり、赤くなったり青くなったり、面白いくらいコロコロ表情が変わるのに。
ああやって無表情で一点に集中してる時は、大体、妄想の世界でアレコレ大変なことになっている時だ。
最初のコメントを投稿しよう!