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「……私、自分の仕事のテリトリーへ恋愛相手に入って欲しくないんです」
「うん?」
「仕事でヨレヨレになってる姿とか、自分の要望が通らなくて嫌な顔してるとことか、
ミスして周りに迷惑かけて情けない顔してるとことか、好きな人には絶対に見せたくないんです」
「ふーん」
「だから、上原さんのことは大好きですけど、恋愛対象として見ていたら恥ずかしくて仕事なんて出来ません」
トンと灰を落として、いつものようにジッと上原さんを見つめる。
私を見つめ返す上原さんの瞳には、何の熱も込められていない。
やっぱりただの上司と部下でしかないんだな、と納得したら、泣きそうになりながらも笑いが込み上げてきた。
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