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「大体、上司の前でこんな風にプカプカ煙草ふかしてる女子ってどうなんですか?
そんなのから好きって言われて舞い上がるようなタイプじゃないでしょう、上原さんって」
上原さんはククッと再び肩を震わせる。
「確かに、ナルミちゃんはキラキラした女子感からは程遠いよな。
いつまで経ってもフレッシュな樫本と同級生とは思えない落ち着きだし」
あはは、と無邪気に笑う上原さんの顔を見ていたら、こんな状況なのに胸の辺りがほわんと温かくなった。
やっぱり好きだな、って。
「男に混じって平気で煙草吸うし、酒も麻雀も強くて話も合うなんて奇跡的なんだよ。
年の差も感じさせないからラクというか」
「それ、褒めてます?」
「褒めてるよ。だから、俺にはナルミちゃんは無理だ」
「……っ……」
今度こそ息どころか心臓さえも止まった気がした。
私を見つめる上原さんの眼差しが今まで見たことないくらい真剣だったから。
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