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「ね、ナルミちゃん、ついでに私たちの分も淹れてくるから休憩しようよ~」
「いいですね!私、実は樫本くんに外出ついでに駅前の鯛焼き買って来てって頼んであるんです」
コソコソと篠村センパイに耳打ちする。
「ホント!?」
あ~、嬉しそう嬉しそう。
ホントにこの人は、なんて可愛いセンパイなんだろう。
「樫本くんもそろそろ戻るはず……」
そこまで言いかけたところでバタンと大きな音を立ててフロアのドアが開き、肩で大きく息をしている樫くんが立っていた。
「篠村さんっ!!」
樫くんはドカドカと篠村センパイへ向かってフロアを突っ切ってくる。
「樫くん、おかえり~」
「へっ!?」
篠村センパイはヒラヒラと手を振りながら、給湯室へと向かってさっさと出て行ってしまった。
「はっ!?」
今度は私に向かって眉間を寄せる樫くんに、思いっきりブハッと吹き出してしまった。
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