原案

1/1
30人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ

原案

穴見が肌寒さから目覚めるとそこは屋外階段の踊り場。 自分の体を確かめると、まさかの全裸。 昨夜の記憶といえば、サークルの飲み会で浴びるほど酒を呑んだということしか覚えていない。 その後、プッツリ意識は途絶え、目覚めてみたら、この有様。 居酒屋からここまでの記憶もない。服もない。金もない。携帯もない。 ナイナイ尽くしで混乱するものの、このままここに居ても、知り合いと遭遇する確率は少ないし、他人に見つかれば、即、変質者扱いで通報されるのがオチ。 踊り場の手摺りから下を覗くと、家から徒歩30分程度の場所だということが分かった。 人通りは少ないし、隠れる場所も豊富。 見上げると曙色に染まっているところもからも、まだ早朝。 表に出ている人が少ないうちに帰宅しようと決意した。 誰にも見つからないよう(もしくはうまく誤魔化して)、真っ裸で帰宅するというミッションを成功させなくてはならない。 時に塀や電信柱の影に身を隠し。 時に、猛烈ダッシュで疾走する。 まさに、ラグビーで培った動きで自宅へと確実に近づいていく。 途中で、親友の保母と偶然出会い、無事に帰宅するための協力者になってもらう。 彼がまさか自分に恋心を抱いているなんてことは露とも思わずに、彼の心を無意識に翻弄しつつも、順調に進むかに見えたミッションも、片思いの相手である小俣の出現によって暗雲が立ち込める。 小俣と、彼女の愛犬は、怪しい行動をとる二人組を発見。 二人組を穴見と保母だとは気が付かず、不審者だと思い、追い掛けまわし、警察に突き出そうとする。 穴見はさっさと誤解を解けばいいのに、全裸で走る自分を見て、変態扱いされるのが嫌で、小俣から逃走するから余計にややこしいことになる。 果たして彼は無事に家に辿りつけるのか? そして、三人の恋の行方は? 更には、全裸で寝ていた理由とは? 痛快疾走ラブコメディ!
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!