兄弟対決

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 過去の戦績から血統から生産牧場から今後の予定まで。  そのうちに、ビワが過去に勝ったレースの昨年までの勝ち馬や、負けた相手や、騎手や、中央競馬のレース体系まで…秋を迎える頃には、一端の競馬ファンになっていた。  その中に気になる情報が…  その年の競馬界は、異様な盛り上がりを見せていた。  ここまで14戦連続連対(二着以内)の古馬最強のビワハヤヒデが、シンザンの持つ19戦連続連対記録を抜けるのか?  そしてもう1つ…  この年のクラシック(3歳G1戦線)で、破竹の快進撃を続けていた、1つ年下の半弟…ナリタブライアンとの有馬記念での兄弟対決が控えていたからだ。  兄貴のビワハヤヒデが、朝日坏3歳ステークス・皐月賞・ダービーと二着だったのに対し、ナリタブライアンは兄貴が取り零したレースを全て勝っていた。  2歳時こそ不安定な成績だったが、直近の3歳最強決定戦、日本ダービーでは、ただ1頭大外をぶん回し、二着に5馬身差を着ける快勝劇を演じていた。  名手岡部に乗り代わり、3歳秋に本格化した【白面の王者】対【黒い弾丸】ナリタブライアンの兄弟対決の話題が、連日新聞の見出しに上がった。
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