兄弟対決

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 当然、私はビワハヤヒデの応援だった。  宝塚記念の衝撃的な勝ち方は、3ヶ月が過ぎ、秋を迎えた時も鮮明に脳裏に焼き付いていた。 『未完成な3歳の弟より、本格化した兄貴のが強いに決まってるだろ。』  友人達とそんな会話をしながら、いよいよ秋の競馬シーズンを迎えた。  ビワハヤヒデの秋初戦は、産経賞オールカマー(G3…当時)。  3歳クラシック戦線でのライバル馬、ウイニングチケットを抑えての一番人気での登場だ。  ダービーではウイニングチケットの二着に涙を飲んだが、菊花賞では快勝している。  そしてビワハヤヒデは、有馬記念こそトウカイテイオーの二着に泣いたが、年が明けてからは、産経大阪坏(G2…当時)・春の天皇賞(G1)・宝塚記念(G1)と、重賞3連勝中だ。  対してウイニングチケットは、昨年秋のジャパンカップからの休み明け…  人気も実績も、そして順調度も、ビワハヤヒデが圧倒していた。  レースは大方の予想通り、ビワハヤヒデが二着ウイニングチケットに2馬身差を着けて快勝する。  秋の天皇賞に向けて、順調な滑り出しを見せた。
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