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私たちのテーブルの上に
沈黙が降ってきた。
それは少し冷たさを含んでいて
自分の体温との差に
震えが走るほど。
周囲は相変わらず
心地よい賑やかさに満ちている。
私たちのいるこの場所だけ
切り取られてしまったかのように
静かだ。
「……それって、アレだろ」
妙に跳ねるような口調で
志藤くんが沈黙を破った。
「GMのプライベートルームに
泊ってたって話だろ?
変な言い方してびっくりさせるなよ」
「そうだね。でも……
結婚してから温人さん
ヴィジュテラの部屋は
使ったことなかったんだよ」
私たちのテーブルに
冷たい沈黙が舞い戻る。
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