幸せの結び方

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ひとりで抱え込むことに 限界を感じて ひとりで過ごしていると 気が狂いそうになって それで志藤くんを誘った。 先日のお礼がまだだったから それを口実にして。 志藤くんと食事するのは OKだけど お酒はダメだと言っていた温人さん。 もう彼は帰国しているから あの約束は無効だろう。 だとしても、 例え私が酔いつぶれても 彼は迎えには来てくれないだろうけれど。 「結婚ってなに?」 「は?」 「マダムが、前にそう質問してきた。 私はその時、答えられなくて……」 「何だそれ。哲学的な話? 女ってそういうの好きだよな。 結婚なんて単純だろ。 同じ戸籍に入る。それだけだ」
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