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「志藤くん、私ねえ
気付いちゃったんだよ」
「へー。何に?」
「どうでも良さそうな
相槌打たないで!」
「うわ、面倒くせー」
心底嫌そうな志藤くんの声に
なぜだかまた笑ってしまう。
ふわふわと
身体も心も軽くなったような
おかしな感覚がある。
確かに酔っているなと
自分でも思った。
「あのね、私ね
温人さんと結婚して
とても幸せだったんだよね」
「そうだろうな。
って、愚痴の次は惚気かよ」
「でもねえ、それって
温人さんに幸せにしてもらってたの」
「やっぱ惚気か」
「ちがうってば!
そういうんじゃなくて
そんな当たり前のことに
いまになってようやく気付いちゃったのっ」
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