farewell
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ただ、道路に一歩足を踏み出したとき、元気な声でそう言って手を振る少女の向こうに、一瞬だけ、ひらりとひらめく律の白いてのひらを見たような気がした。 「──ああ、またな」 そして、深谷は手を振り返して歩き出す。 坂の下を走る電車の轟音が、暮れ行く夏にまたひとつ、長く尾を引いて流れていった。
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